グラミー賞主要4部門制覇!
すごいですよねー、ビリー・アイリッシュ (Billie Eilish)。
まだ18歳。史上最年少だそうですね。
昨年3月に発売された『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』、全体的にダークな感じで、刺激あり繊細さに震える感じあり、とってもかっこいいアルバムです。
写真は、昨年、Calvin Klein のキャンペーンに参加していた時のです。ちょっと大人っぽくなったなーなんて感じたけど、彼女の綴る音楽もさらに深みを増した感じがします。
赤裸々な10代女子のアイコン、っていうそれ以上の何かになっていく姿が眩しいぐらいですが、同時に、なんでしょうね、彼女の抱えるキリキリした痛みのようなものをさらけ出している様子に、とても切ない気持ちにもなるんですよね。
アルバムの2曲目『Bad Guy』が楽曲としてグラミー賞2冠に輝いています。アップテンポでぞくぞくするぐらいのカッコよさがありますが、それと真逆な感じの13曲目『I Love You』の魅力といったら、、、素晴らしいです。アコースティック仕立てのとても美しいバラードで、甘く切ない胸を締め付けらるような曲です。
恋愛の終わりの始まりを予感させる雰囲気に包まれた曲ですが、そこに含まれる微妙なニュアンスが秀逸だなーって思います。
You didn’t mean to say “I love you”
I love you and I don’t want to
ここですよね。”You didn’t say” じゃなくて “You didn’t mean to say” と歌っています。
「愛している」、という言葉に対して、自分の持っている重みと相手の持っている重みとの間にあるギャップを上手く表現していて、美しいメロディーと歌声が絡み合って、切なさがいやってほど伝わってきます。
もしかしたら、「愛の重みの差」ではなくて、「愛の性質の差」かもしれません。
だけど、それでも、「私は愛してよ、いやなのに」と続きます。
あと、ここもいい!
Wish we never learned to fly
Maybe we should just try
To tell ourselves a good lie
特に “Wish we never learned to fly” は、色々な解釈ができると思うのですが、私の中では、
それぞれの中にあるわだかまりを直視しないで、抱えたまま無かったことにして、そうして穏やかなあっち側に行ってしまう、それも一つの方法だけど、そんなことはしたくない、っていうことかと思います。
もしくは、わだかまりを直視するにしても、それに対して自分自身にいい嘘をついてみるっていうこともできたかもしれないと。
そういったことに何一つまだ答えを出せなくて、愛する人との甘くて切ない時間に留まっているんです。
昨年夏のロサンゼルスでのライブで披露した『I Love You』の映像が公開されています。
ベッドの上で歌う、幻想的な演出です。
プロデューサーであるお兄さん、フィネアス・オコネルと一緒ですね。
ビリー・アイリッシュの空気の中で共鳴しながら、溶けていくような歌声が、本当に美しいです。